Earth Caravan 2017支援報告
- 【支援総額】1,493,982円(※1ドル113円、1シュケル32円で換算)
- 【1】パレスチナへの支援
- 【2】バングラディシュへの支援
【1】パレスチナへの支援
1-1)ガザ地区浄水プロジェクト基金
- 支援金額:761,850円
- 脱塩浄水機器を設置支援金として
- 責任者:アハメッド・タワヒナ
ガザの水事情は大変悪く、井戸も公共の水道も塩分濃度が高く、また高レベルの硝酸塩(体内で亜硝酸塩という有害物質に変化し、乳幼児には死の危険も)、重金属、フッ素など様々な化学物質や細菌で汚染されています。
飲用に使えません。
原因はイスラエル占領軍によって掘る井戸の深さが制限されているためです。腎機能障害、心不全、神経学的症状、嗜眠および高血圧などの病気に罹患する人が多く、子どもたち全員が腸管寄生虫に犯されています。人々はやむなく脱塩プラント事業者から水を購入しますが高価で、貧しい家では収入の三分の一を水の購入に当てなければならないほどです。ユネスコによれば95%の水が汚染されており、2020 年には人間の生存そのものが不可能になるといわれる状況です。
アースキャラバンは2015年に、イスラエル軍による爆撃でトラウマを負った子どもたちの心の癒しの為に活動しているガザ在住の医師、アハメッド・タワヒナ氏に1,500ドルの支援を行いました。そしてこの度、ガザの水事情を
聴き、タワヒナ氏が運営するセンターに脱塩浄水機器を設置するプロジェクトを始めました。
設置後は、1日2時間という非常に制限された電力供給時間内の稼働でも、約1,000人に安全な水を届けることができます。
1-2)フム・エルヒール村
- 支援金額:32,000円(1000ILS)
- 道路整備工事の砂利購入費
- 責任者:ガイ・ヒルセフェルド(タユーシュ・グループ リーダー)
パレスチナのC地区(イスラエルが行政・治安を担当する地域)と呼ばれている地域の村民の生活は日常的に検問・封鎖・軍事侵攻の危険に曝されています。パレスチナ人は、自分が所有している土地であっても家を建てることが、イスラエル政府から許されません。建てた家はイスラエル軍によって破壊されます。村の道路が整備を必要としても、トラックやブルドーザーを使用すると、イスラエル警察に逮捕されます。村人は、スコップなど人力によって道路の整備をしなくてはなりません。しかし男たちは働きに出ているため労働力が足りず、砂利などの購入費も不足しています。アースキャラバンはイスラエル人人権活動家ガイ・ヒルセフェルド氏のコーディネートによって砂利を購入し、パレスチナ人に加えて、アメリカのキリスト教団体、イスラエルの人権活動家等と共に汗を流し、村の道路を整備しました。
ガイ・ヒルセフェルドさんからのお便り
「アースキャラバンの皆さんは、イスラエル軍が多くの井戸を破壊したことによって水不足に苦しむパレスチナ人のため、早朝から、湧き水井戸の掃除をお手伝い下さいました。
さらに、イスラエル政府による弾圧政策によって修復もままならないパレスチナ人の村の道路を、炎天下の中、皆さんの手で土木整備して下さいました。私はシンプルに言いたい。
皆さんの労力にありがとう、と。ヨルダン渓谷に暮らすパレスチナ人のための活動を、私は今後も自らの使命として続けていきます。アースキャラバンの皆さんが、またこの地に戻ってきて下さる日をお待ちしています。心から感謝申し上げます。」
ガイ・ヒルセフェルド(タユーシュ・グループ リーダー)
※イスラエル人でありながらパレスチナ人の人権を守る活動を続けるタユーシュ・グループに、アースキャラバン有志で月$250の支援を行っています(2017年12月現在)。
1-3)デイーシャ難民キャンプ(障がい児リハビリセンター)
- 支援金額:143,400円
- 車いす、補聴器等備品補助:113,000円(1,000USD)
- 昼食提供代:30,400円(950ILS)
- 責任者:スライマ・ラマダン
ベツレヘム郊外にあるデイーシャ難民キャンプの中にある障がい児リハビリセンターを訪問しました。午前中、約100人の子どもたちと、歌や踊り、浴衣の着せ替えや折り紙、タオ指圧などで交流し、その後、大喜びの子どもたちに昼食を提供し、メンバーも一緒にいただきました。最後に寄付金の贈呈式を行い、車椅子や補聴器などの購入補助金として、所長に1000USD を手渡しました。
スライマ・ラマダンさんからのお便り
「アースキャラバン中東2017の体験は、私にとって昨年同様、とても興味深いものでした。私は、アースキャラバンの皆さまが私たちパレスチナ人に寄り添い、支援活動して下さる様子を年々目の当たりにしています。皆さまがかもし出す温かい空気の中、デイーシャ難民キャンプ(ベツレヘム郊外)の子どもたちは、とても開放的でユニークな体験をすることができました。障がい児と健常児、合わせて100人以上の子どもたちが、折り紙、着物、指圧、音楽、踊りなど、日本文化を心ゆくまで楽しみました。 さらに車椅子や補聴器などを購入するための支援金として、$1,000のご寄付を頂きました。障がい児センター職員一同、心より感謝申し上げます。
皆さまと共に活動できることは私の喜びです。来年もまた、お会いできることを願っています。」
スライマ・ラマダン
1-4)異宗教合同慰霊祭(ベツレヘム自然歴史博物館)
- 支援金額:23,360円
- 異宗教合同慰霊祭 昼食提供代
- 責任者:ベツレヘム大学教授のマジン博士
8月6日(広島原爆投下日)に、ベツレヘム大学教授のマジン博士が運営する、「ベツレヘム自然歴史博物館」のホールで、異宗教合同慰霊祭「平和の祈り」を行いました(参列者約60人)。
式典後は、アースキャラバン代表の遠藤喨及、地元のイスラム教徒、キリスト教徒、それぞれの代表によるスピーチがあり、最後にアースキャラバンのテーマ曲「SHARE!」を全員で合唱。お昼は庭の木陰で食事を共にしながら、語り合いました。
1-5)アル・アカバ村
- 支援金額:339,000円(3000USD)
- 太陽光発電装置の設置費用
- 責任者:ハジュ・サミー(Haj Sami Sadeq)村長
アル・アカバ村に住むパレスチナ人家族の中には、自分の土地であるにも関わらず、イスラエル軍の演習場の区域の中に入れられてしまった人たちがいます。
彼らはイスラエル政府によって電線を引くことも電気の購入も許されず、夜はランプの灯りのうす暗い中で生活してきました。
夜間演習の際、暗闇の中で一般の家屋があることを認識できないイスラエル兵の銃弾が飛び込んで来ることもあるなど、危険な生活を強いられていました。
アースキャラバンは、村長のハジュ・サミー(Haj Sami Sadeq)氏の要請を受けて、太陽光発電装置の設置資金を支援しました。
アル・アカバ村 村長ハジュ・サミーさんからのお便り
「アースキャラバンの皆さまへ
アル・アカバ村を訪問して施設を整備し、またピースアートの壁絵を描いて下さり、ありがとうございました。さらに村の家族に、太陽光発電の装置一式($3,000)を寄付して下さり、心より感謝申し上げます。
設置したのは、イスラエルが軍事区域として定めた境界に住んでいる家族です。彼らの家にはイスラエルによって送電が禁止され、夜間に照明がありませんでした。そして闇の中でイスラエル軍が演習発砲するため、家は常に危険にさらされていました。
しかし、寄付によって設置した太陽光発電のお陰で電灯がつくようになり、家はより安全になりました。
また、子どもたちが日が暮れてからも勉強や読書ができるようになり、とても助かっています。
家族の幸せな様子は、写真からもおわかりいただけることと思います。
ご支援頂き、本当にありがとうございました。」
ハジュ・サミ−
1-6)人権保護団体「Holy Land Trust」
- 支援金額:67,472円(2108.5ILS)
- 団体の運営費用として
アースキャラバンとタイアップしている「Holy Land Trust」は、キリスト教系の人権擁護団体です。彼らは毎年、ベツレヘム・フェスティバルという、街を上げての3万人規模のお祭りを開催しています。
残念ながら、政治情勢の悪化により、今年は開催されませんでしたが、アースキャラバンは、チャリティーフェスティバル「JAPAN DAY」を、ホーリーランドトラストセンター全館を使用して、2日間に亘り開催しました。
そして、浴衣の着装体験、抹茶、巻寿司コーナー、折り紙、ボードゲーム「チャトランガ」、タオ指圧などを提供し、売上げを、団体の運営費用として寄付しました。
【2】バングラディシュへの支援
1-6)子どもの教育支援金
- 支援金額:100,000円
- 小学校校舎の屋根修理費として
アースキャラバンでは2006年より継続して、バングラデシュの仏教徒ラカイン族の子どもたちの教育支援を行っており、現在、小学校を3校運営し、毎月11人の先生方及び2人の仏舎利塔管理人の給料を支払っています。 今回、校舎の屋根の修理費として、アースキャラバン2017から10万円を寄付しました。